高度プロフェッショナル制度は将来全職種対象になるのか?

ある特定の職種が対象とされた「高度プロフェッショナル制度」。
将来、日本にある全職種が対象となることも考えられます。
現在の対象者は、高い所得の労働者を労働時間規制の対象から外しますが、生産性のことを考えて全職種が対象となるのではといわれています。

高度プロフェッショナル制度とは

高度プロフェッショナル制度とは、所得が高い労働者を労働時間規制の対象から外す制度です。
対象となった労働者は、休日手当・時間外手当・深夜手当などの労働割増賃金はまったく支給されません。
現在の裁量労働制と違うのはここです。
これが、「残業代ゼロ」「過労死促進」などと揶揄されている原因です。

労働能力の評価の変化

なぜこのような制度ができるのかというと、労働能力の評価の変化にあるようです。
昔は、製造などの一次・二次産業の労働者がほとんどでした。
そのような人たちは、労働時間規制での働き方が適切でした。
しかし、近年は、三次産業の労働者が増えてきて、労働者の能力が仕事の「量」から「質」へと変わってきました。
つまり、労働時間をかけなくても高度な仕事ができる職種ができてきました。
労働時間が長いからいい仕事をしているかといったらそうでもないということですね。
仕事の能力が悪く、同じ仕事内容なのにAさんは定時内で終わるのにBさんは残業を毎日4時間して終わります。
そうなると、同じ仕事内容なのにAさんは通常の給料で、Bさんは通常の給料プラス残業代が支払われ、結果的に生産性の悪いBさんに多くの賃金をわたすことになります。
労働者側からみても不公平ですし、雇用側も能力が低い人に多くの賃金を支払う矛盾さがなくなります。
なので、高度プロフェッショナル制度は改悪ではないのです。

高度プロフェッショナル制度の対象の職種

高度プロフェッショナル制度の対象職種は以下になります。
研究開発や金融、紺殺たんとといった高度な専門知識を必要とする業務に就く労働者で、年収1075万円以上の労働者です。
高度プロフェッショナル制度に適応するには労働者本人の希望がなければいけません。
なので、気が付いたら対象で高度プロフェッショナル制度になって休日・残業などがなくなったというわけではありません。
また、適応となっても健康維持対策として条件が導入されます。
・始業から24時間以内に継続した休憩時間を確保する
・健康管理時間として、働く時間に上限を設ける
・4週間に最低4日、1年間で104日の休日を確保する
これのいずれかを導入しなければなりません。

いずれは高度プロフェッショナル制度になる?

いまは適応される職種の所得が決まっていますが、労働者の生産性が問われるようになってきたら、いろんな職種に適応されるのではと思います。
「時給1500円に」という訴えをある団体がしていましたが、時給1500円になったとして働く人がすべて時給1500円の働きをするのかといったらそうでもありません。
時給1500円というのは、労働が1時間で1500円です、
雇い主からすれば、1時間のうちに1500円以上の働きをしてもらわなければなりません。
しかし、すべての労働者が1時間1500円以上の働きをするかといえばそうでもありません。
人の能力は差があります。
量ではなく質で賃金に評価されるべきです。
なので、いずれば全職種に対して労働の「質」に対する評価がされるようになるのではと思います。
ただ、製造業はそうはいかないでしょう。
いろんな職種が増えてきましたので、職種によっての給料体制を考えないといけないのかもしれませんね。