女人禁制の由来 相撲界の他は?

相撲界で土俵に人命救助のために上がった看護師の女性にたいして土俵から降りるようにアナウンスが流れました。
相撲は江戸時代からつづく伝統ある行事です。
しかし時代の流れとしては男女平等です。
土俵に女性も上がってもいいのではという声は多いです。
そもそも女人禁制ってどうやってできたのでしょうか。
また相撲界の他に女人禁制の場所ああるのでしょうか。

女人禁制とは(仏教での由来)

女人禁制とは、文字のとおり女性が立ち入ることを限定することといいます。
仏教では、性欲を含む人間の欲を煩悩として、性に関する刺激に対して厳しい制限があります。
そのために異性である女性の出入りを制限する必要がありました。
それに対して女性が入る尼寺は、男子禁止とはいかなかったようです。
しかし仏教の戒律は、出家者や修行者、在家で求められる戒律がそれぞれ異なるので、戒律の内容や解釈も各宗派で異なります。
なので、男子禁制の尼寺が存在したり、山岳部の寺院が女人禁制でないところもありました。

女人禁制の神道での由来

神道においては、流出した血液は、血の穢れとみなされます。
そのため生理中の女性や産褥中の女性が、神聖な場所に入ることや神聖な物に接触することを禁止することが古くからあります。
しかし、女性だけではなく、男性でも怪我をして流血している人が神聖な場所に入ることも禁止されました。

横道にそれてニュースより女人禁制を考える

相撲の土俵であいさつの市長が倒れた事件がありましたが、その後の土俵には大量の塩がまかれましたが、穢れた土俵を清める塩で、女性が上がったから土俵が穢れたというよりも、土俵上で病気になったという事実の穢れを清める塩だという見解もあります。
よくよく考えると、宗教の中には輸血禁止で、実際に輸血が必要な状態なのに宗教上の理由で断り、結局患者が死亡するということもありました。
その人に無理やり輸血をすると、その人は今後同じ宗教の信者から厳しい目で見られたり態度をとられて生活ができなくなったり、うつ状態になったり大変な目にあいます。
昔からの規律を守ることも大事です。でも人の命を守るのも大事です。
今回の相撲の土俵に女性があがった件は、女性に対してアナウンスで指示しただけで、無理やり降ろす行為をしていませんし、後で相撲協会から抗議されたわけではありません。
周りがギャーギャー言いすぎな気がします。
相撲の土俵は女人禁制。けど緊急時は目をつぶる。
それでいいじゃないですか。

昔の日本は祭りごとは女性がしていた

昔で言うと卑弥呼は神事を行っていました。
その身に神を降臨させて、占い事をしました。
卑弥呼は女性です。
その当時は、祭りごとは女性が資格をもっていました。
女性は神霊が憑依されやすい、神聖なものと信じされていた時代です。

神社の巫女さんは女性ですね。
神霊が憑依されやすいというのは悪い意味でとらえると、荒修行に女性は困難だといわれています。

女人禁制の場所

相撲の土俵以外にも女人禁制の場所はありますが、徐々に解禁されています。

・富士山 江戸時代後期に解禁
・立山 1872年に解禁
・白山 同上
・比叡山 同上
・御嶽山 1877年 解禁
・高野山  1904年 解禁
・出羽三山 1997年 解禁。ただし男女別の修行期間がある。
・石鎚山(愛媛県) 現在はお山開きの7月1日のみ女人禁制
・大峰山山上ヶ岳(奈良県)反対運動あり。
・後山(道仙寺奥の院)(岡山県) – 後山中腹にある母御堂から奥の院に至る行者道が女人禁制とされている。登山道は別にあり、後山への登山は女性でも問題ない。
・蓼科山 山頂に高皇産霊尊が鎮座するが、位の高い天地開闢の神なので、女性登頂が許されなかった
・田名部まつりのヤマは女性は乗れない
・岸和田だんじり祭 だんじりに女性が乗ることはできない
・相撲 女相撲が過去にあったので今現在女人禁制について議論されている
・歌舞伎 歌舞伎の創始者は女性であるが、歌舞伎劇と売春を兼ねる集団があり風紀上の問題で歌舞伎劇は女人禁制になった
・能楽 1948年から女性能楽師の加入が認められた

海外の女人禁制

・フリーメイソン 五体満足の成人男性
・ローマ教皇の私室 でも入っていた過去がある
・アトス山 家畜でもネコ以外はメスもだめ
・オックスフォード大学 かつては女人禁制で教授は生涯独身と決められていた
・会員制ゴルフ場 現在では解禁
・ムエタイ 2大聖地のラジャダムナン・スタジアムとルンビニー・スタジアムでは女性はリングにあがれない
・原子力潜水艦 2010年に女性乗組員も解禁

まとめ

女性は生理や産後の産褥きで血を流しますので、その期間は穢れているというのはきいたことがあります。
しかし女人禁制では女性そのものがだめという厳しい物もあります。
しかし徐々に解禁されているものも多くあります。
女人禁制の理由で、危険な行為や場所だから女性を守る意味で「女人禁制」なのだという人もいます。
女人禁制を男女差別という人もいますが、男性女性でできるできないがありますので、お互いできること、できないことを振り分けで作業すればいいだけのことだと思います。
男女平等と思うから「女人禁制」といわれると差別していると思うのでは?と思います。
時代にあった規則というのもたしかに信頼できますが、伝統を長く守っていくというのも大事にしたいと思います。