精神病にはいろいろあります。
その中で双極性障害(躁うつ病)というのがあります。
芸能人でもこの双極性障害の人もいらっしゃいます。
専門家でもなかなか判断がしにくい病気です。
目次
双極性障害(躁うつ病)とは?
双極性障害とは2つの気分の間で波がある病気です。
・エネルギーのたまった躁状態
・低下しているうつ状態
躁状態のときは、本人に苦しみや悲しみなどの問題意識がないので、症状の判断がわかりずらいです。
うつ状態で病院にいかれる人がほとんどです。
双極性障害には1型2型に分類されていますが、躁症状の程度によりわけられます。
1型は躁状態とうつ状態、2型は軽躁状態とうつ状態で気分の波があります。
双極性障害は脳の機能障害ともいわれていますが、そのメカニズムはあきらかになっていません。
うつ状態がひどく、入院治療される人もいます。
双極性障害(躁うつ病)の症状とは?
双極性障害はそ4つの病相にわけられます。
・躁病相
・軽躁病相
・うつ病相
・混合病相
これらを不安定に繰り返す状態を、ラビットサイクラーといいます。
躁病相の症状
高まった気分や活力で行動するので、周りから見たらとてもパワーがあるように思います。
しかし、躁状態のときは本人に病気という自覚がありません。
というのも以下のような行動をとるからです。
・衝動的に高額な買い物をする
・危険な投資や事業計画をたてる
・上司に直訴したりどなり散らしたりする
・昼夜平日休日問わずに友人や家族に連絡をとる
・見ず知らずの人と一晩をすごす
躁状態のときは他人からみても異常に感じます。
敏感になって怒りぽくなったり、大きな気持ちになって普段しないとんでもない行動にでたりします。
軽躁病相の症状
軽躁状態では、気分や活力の高まりはありますが、躁状態と比べると軽度になります。
本人も調子がいいことが普通に思うので、気づかれないことが多いです。
仕事や社会にでたら突然人の変わったように良い面が発揮されて、成果があがったり魅力的な人にうつります。
ストレスがかかったときは、逆に気分が高ぶります。
徹夜をしたら頭がさえるといった感じです。
でも、軽躁状態が続くには数日で、躁状態よりも自殺率が高いとされています。
うつ病相の症状
双極性障害でのうつ状態のときは、うつ病の症状と基本的には変わりません。
・気分の落ち込み
・興味や感情がなくなる
・疲れやすくなる
・食欲の低下や過食
・不眠や過眠
・意欲・気力低下
・思考力低下
・自己否定
・自殺願望
躁うつ混合病相の症状
双極性障害は、躁状態とうつ状態が入り混じることがあります。
この状態を躁うつ混合状態といいます。
気分や思考や行動がばらばらで、非常に苦しいのです。
うつ病の人だと気分が落ち込んで何もする気がおこりません。
混合状態では、気分が落ち込んでいるのに行動はできたり、行動できなくても不安や焦りが強まったり、衝動性も高まるので、自殺のリスクが高くなります。
混合状態は躁からうつ、うつから躁にうつるときに起こることがあります。
ラビットサイクラー
ラビットサイクラーは躁状態とうつ状態のサイクルが急激に繰り返す状態のことです。
双極性障害では、うつ状態が非常に長く、数カ月から数年単位で続くこともあります。
ラビットサイクラーでは1年で4回以上躁状態や軽躁状態とうつ状態を繰り返します。
ラビットサイクラーの患者さんは気分の上がり下がりが大きいので、負担がかなり大きくなります。
双極性障害ではうつ状態が長くある
双極性障害はうつ状態が非常に長くあるので、とても苦しい病気です。
10年の記録でうつ状態は50%です。
そんな状態なので他の病気を患ってしまうこともあります。
不安障害や摂食障害、アルコールなどの依存症、パーソナリティー障害などが確認されています。
この合併症の多さから、双極性障害の診断を難しくしています。
なかには十年くらいたってから双極性障害の診断を受けることもあります。
まとめ
こころの病気はなかなか患っている人には気がつかず、最悪自殺をしてしまうことがあります。
症状によっては家族の理解が得られない場合もあります。
誤解も受けやすいので、おかしいと思ったら病院で診断を受け、正しい治療をうけることをおすすめします。
しかし、双極性障害の場合は診断が難しいので時間がかかってしまいます。
しかし、うつ状態を脱するために薬事療法やカウンセリングなどは受ける意味があります。
また家族にも病院でカウンセリングを受けてもらい、病気の症状の理解をしてもらうと、今後の治療が安心して受けられます。