保育士不足が言われている中
昔は「保育士」は「保母」という名前で、女性の仕事でした。
看護師と同じですね。
しかし、現在は男性も育児に参加する世の中ですし、職業に性別制限をするのは男女差別と言われます。
男性も保育士になれる時代になりましたが大きな問題をかかえています。
目次
男性保育士に対する保護者からの目
子供が男の子だと、男性保育士さんに預けるとお父さんがわりに見えて安心感があります。
しかし子供が女の子だと、オムツ替えや着替えなど子供の裸を男性保育士さんに見られるのはいい気がしません。
とても難しい問題です。
男性が保育士になる理由
男性が保育士さんを目指すのは、子供が好きで子供と触れ合う職場につきたいから。
しかしごく一部ではありますが、小児に対して性的感情をいだくロリコンの人がまぎれこんでいる場合があります。
そういう人が、保育士として勤務し、性的犯罪を起こしてしまうと大変な問題になっています。
男性保育士への差別
男性保育士に女の子のお母さんが「着替えをさせたくない」という声があがっています。
特にオムツ替えで裸をさらすことになるので、嫌な思いをするお母さんがいます。
しかし、すべての男性保育士さんが、性的な感情を持って女の子と接しているわけではありません。
もちろんほとんどの男性保育士さんは、まじめに保育に対して勉強をして勤務されているわけですから、ただ「男性」ということである業務から外れるということは、男性保育士に対する差別ではないのでしょうか。
男性保育士の割合は
男性保育士はいったい全体の何割存在しているのでしょうか。
平成22年時点では、就業者47万4900人のところ、男性保育士は1万3160人です。
2.8%という数字は少ないのか多いのかといった感じですね。
しかし、昭和60年に比べるとだんぜん右肩上がりに増えているそうです。
男女雇用機会均等法で、就業に男女の区別がなくなりましたのでこれからも男性保育士は増えていく傾向にあります。
男性保育士の利点
雇う保育園側からしたら、女性保育士より男性保育士の方が利点があります。
それは出産で産休や育児休暇がないからです。
また、男性保育士の方が力はあるし時間の融通が聞く人がおおいです。
女性は未婚の人か子育てが終了したベテランさんくらいしか時間の融通がききません。
しかし男性は時間の融通が未婚・既婚問わずききます。
イベントごとでの大道具的な作業は、男性の方が得意ですね。
子供からは、男性保育士さんが怒る方が威圧感があって女性保育士さんが怒るよりはおとなしくなる気がします。
男性保育士の年収は
男性にかかわらず女性も保育士だと業務に見合った収入がなく、しかたなく他の職業に就くという現実があります。
男性保育士の平均年収は、322万円ほどです。
55~59歳までは女性保育士の方が年収が上回ります。
20代はとくに男女で差がつきます。
高齢になると男性の方が多くなるのは、主任や園長という役職につくからです。
ただ、平均が322万円ですから、けっして裕福な職業とはいえません。
男性には満足できない収入かもしれません。
男性保育士が辞めたいと思う原因
せっかく念願の保育士になったというのに「辞めたい」と思ってしまうことがあります。
どの職業もそうですが、保育士にはこんな原因があります。
・更衣室やトイレがない
ほとんど女性の職場ですから、初めて男性保育士が勤務してきた保育園で働くと、更衣室はないしトイレは園児用という、苦労を強いられていることがあります。
・注目されて
男性保育士というのは良くも悪くも注目の的になります。
保護者からは好奇の目でさらされることになりますし、ベテラン女性保育士からは敵視されることもあります。
・人間関係
女性が中心の職場ですし、送迎の保護者はほとんどがお母さんです。
女性に囲まれての人間関係は、女性でも耐えられないものがあります。
女性のうわさはあっというまに広がるので、もし変なうわさを流されたら働きずらい環境になってしまいます。
まとめ
男性保育士の差別について書いてみましたが、ほとんどが保護者の勘違いや思いすごしもあると思います。
小さい子に性的感情をいだく男性は現実に存在しますが、実際は犯罪に及ぶようなことをするのはごくわずかです。
男性保育士だからすべての人がそういう目的で保育士になったわけではないので、温かい目でしかしときどき厳しい目で見守ってみてはどうでしょうか。
保育の業務と収入はとても合っているとは思えません。
男性が保育士になるのは、収入の面でも厳しいものではないのでしょうか。