ダイヤモンドとはそもそも何か?

ダイヤモンドの流通経路

1.ダイヤモンドについて

ダイヤモンドはあらゆる宝石の中で最も重要な宝石で、事実宝石鉱物としてのダイヤモンドは特異な性質をもっているために、宝石の中で一つの独立した分野を築いています。

何故ダイヤモンドは各種宝石の中でも特別な存在なのか?

  1. ダイヤモンドの優れた結晶は、ほとんど無色で色彩をもたないが、他の宝石の優れた結晶はすべて色彩をもっているから。
  2. ダイヤモンドの化学的、物理的性質は極めて特徴的な性質をもっていて、屈折率、硬度、分散率など然の無色透明石の中では最高の値をもっているから。
  3. 良質のカラー・ストーンの市場性、価格、供給量など変動が不安定だが、ダイヤモンドの市場性、価格、品質、供給量、カット技術、カット形式などすべての点で標準化されていて、極めて安定的で、これらは国際的に標準化されているから。

どうやってダイヤモンドは出来上がるのか?

ダイヤモンドの成因については今日でもまだ完全に明らかではないが、一般的にいってダイヤモンドは地球の内部(マントル層のかなり深い場所150km以上)での非常に高い熱と膨大な圧力の作用下で、炭素を過飽和に含んだケイ酸塩を溶媒とした浴液中化したものと考えられています。

結晶化したダイヤモンドは溶融したマグマと共に周囲より密度が小さいので上昇運動を起こし、地表近くでは急速に上昇し地殻をつき破って地表に噴出したものです。

この結果キンバーライト・パイプ鉱床を形成するのです。

このパイプの表面は、その後の長い地球の歴史の中で、風と雨などによって次第に風化侵蝕され、パイプの首にあたるその一部は有史以前の河川に運ばれ、その流域、河口へダイヤモンドを運びます。

このようにして形成された鉱床を漂砂鉱床といいます。(ケイ酸塩溶媒説には異論をもつ地球物理学者も多い)・ダイヤモンドの主要産地はロシア、南アフリカ共和国、ザイール、ナミビア、アンゴラ、オーストラリア、カナダなどです。

ダイヤモンドの価値は流通の安定性にも起因する

ダイヤモンドが宝石としての価値を高めているのは、その鉱物的特性もさることながら、流通の安定が大きな理由となっているのも事実です。

この流通の安定に寄与しているのが、ダイヤモンド・トレーディング・カンパニー(DTC)の存在です。

ダイヤモンドの流通経路

ダイヤモンドの流通経路

DTCの役割で特に重要なことは供給と需要の調整能力で、このことが他の宝石にみられない商品価値をダイヤモンドに与えています。

DTC社は年10回のサイトでダイヤモンド原石を研磨業者に供給しています。主としてアントワープ、ニューヨーク、イスラエル、インド、ロシアなどでダイヤモンドは研磨されています。