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ダイヤ買取で儲けるための肝は、安く仕入れて高く売ること
ダイヤモンドを正確に査定する鑑定力とダイヤモンドを売却するルートがあれば、ダイヤモンドの売買益で利益を出すことは十分に可能であると考えます。
ダイヤモンドの販売ルートは?
- 日本や香港等で開催される世界のバイヤーが集うオークション
- メルカリやラクマなどのネット上のフリーマーケットなどで売る
「ダイヤモンド オークション」などで検索すれば多くの情報が出てくるかと思います。参加費を払えば誰でも参加が可能となっているので参入ハードルは低いです。
都内では、例えば、APREによるタイムレスオークションなどが毎月開催されています。 https://apre-g.com/auction-2/
ダイヤ買取業の難点
多くの利益を得るには、多くの資金が事前に必要
ダイヤモンドの希少性は高く、原価も高いため、ダイヤモンドを仕入れるには大きな元手が必要となります。
例えば、ダイヤの4Cが0.279ct(カラット)、3EXのダイヤモンドを、¥39,000でエンドユーザーから仕入れたとして、それが¥46,000円でオークションで売れたとします。
オークション参加費やダイヤの鑑定料などの雑費は省きシンプルに計算すると粗利は以下のようになります。
粗利の計算
¥46,000 – ¥39,000 = ¥7,000
当然粗利の中から自身の役員報酬や給料を設定する訳ですが、
粗利の中からおよそ50%を自身の報酬と設定した場合、上記の例では¥3,500円しか貰えません。
では例えば毎月70万円の報酬(給料)を得るには元手(原価)が幾ら必要でしょうか?
700,000÷3,500=200 先ほどの式を200倍すればよいことになるので、
毎月70万円の報酬(給料)を得るには?
¥9,200,000(売上) – ¥7,800,000(原価) = 1,400,000(粗利)
つまり、自身のお給料を毎月¥700,000円得るには、毎月¥7,800,000の分のダイヤを仕入れる必要があります。
原価以外に発生する費用はどんなのがある?
法人として運営する場合は租税公課や法定福利費、税理士顧問料など必要経費は発生しますが、それらは省いてシンプルな売上原価は以下の通りです。
- ダイヤの鑑定料
- リング(地金)部分を外す費用
- オークションへの参加費用
ダイヤの鑑定料
中央宝石研究所(以下、中宝研)という日本で最大級のダイヤの鑑定機関がありますが、 中宝研のグレーディングサービス料は1ct未満であれば1ルースにつき1,500円(税別)です。

宝石鑑別・グレーディング料金表|中央宝石研究所(CGL)
(参考) http://www.cgl.co.jp/report/grading_price.html
ルースとは?
ちなみに「ルース」とは、裸石のことです。例えば婚約指輪などであれば、リングの地金の部分を外してダイヤだけの状態にしておく必要があります。
全国に支店が幾つか存在しますが、東京支店は御徒町(東京メトロ日比谷線「仲御徒町」駅 3番出口 徒歩1分)にあるため、御徒町への移動交通費も必要となるでしょう。
リング部分を外す費用
指輪などの製品であれば、売却時には地金部分は外す必要があるので、その地金を外すのにも費用は発生します。自身の工具があると安く抑えることは出来るでしょう。
オークションへの参加費用
参加料はオークション毎によって異なりますが、¥3,000円一律などだったりします。 あとは、歩率といって、商品が見事に売却された場合に、1~3%ほど会場に支払う手数料が発生します。
ダイヤ買取で儲けるには粗利率を高める必要がある
先ほどの例では、粗利率は、
となります。 粗利率が平均で20~30%取れれば十分な数字ではありますが、ダイヤ買取においてはこの粗利率が重要な指標となってきます。 他の例では、例えば、1.003ct VLY I1 Oval Cut(オーバルカット)ダイヤモンドを¥40,080円でユーザーから買い取ったとして、それをオークションで¥65,119円で売却できたとします。 利益は¥25,039となるので、粗利率は
となります。優秀な数字だと思います。 繰り返しますが、 上記の粗利には、中宝研によるダイヤのグレーディング・ソーティングの費用は含まれていませんし、オークションの参加料も含まれていませんので、実際には粗利はもう少し少なくなるはずです。 ダイヤ買取業で儲けるには、如何に安くダイヤを仕入れ、高く売却するかが大事であることが伝わったかと思います。
どうやってダイヤモンドを安く仕入れる?
コンシューマー(一般消費者)から仕入れるか、企業から仕入れるかで手法は大きく異なってきます。
ダイヤモンドをコンシューマー(一般消費者)から仕入れる方法
①メルカリやラクマなどのフリマアプリでダイヤモンドジュエリーを購入する
例えば、夜のお仕事をされていてそのお客様からプレゼントで頂いたジュエリーなどを出品しているケースが多いですが、そのケースに限らずとも、比較的ブランドもののジュエリーは多く出品されています。
中には、即金性を高めるために安く出品しているケースもあるので、そう言ったお買い得商品を見極めて購入し、粗利を乗せてオークションで売却するのは一つの手かと思います。
②買取フォームを作り、google広告を出稿し、直接ユーザーからの買取を募る
例えば、1枚もののLP(ランディングページ)をwixなどの無料HP作成サービスを利用し作成したら、そのページをgoogleのリスティング広告などで出稿します。キーワードは「ダイヤ 買取」です。
ユーザーは手っ取り早くダイヤを売却し、現金に引き換えたいという願望があります。その心理を利用し、即現金振り込みを謳って、買取依頼を募ります。
ダイヤの査定には、例えば、ここのオンライン査定サービスを使って、ダイヤモンドの4C(カラット、カラー、カット、クラリティ)を入力すると、ダイヤモンドの査定額が出てきます。
この金額は、その会社が粗利を上乗せして決定している買取額なので、この会社よりも1~2%やや低い査定額をユーザーに言い渡せばよいでしょう。
鑑定するには、もちろん何十年と経験を積んだ鑑定士の方が確かではありますが、このご時世わざわざ自らが鑑定の修行を積む必要はありません。
ただし、気をつけないといけないのが、キュービックジルコニアと呼ばれる人工ダイヤモンドが市場に流通している点です。
人工なので当然、天然のダイヤモンドよりも遥かに価値は劣りますが、肉眼で天然ダイヤと区別するにはなかなか至難だったりします。なので、それを悪用し、あたかも天然ダイヤを装い買取依頼を申し出るユーザーがいます。
人工ダイヤと天然ダイヤを判別するための機械が市販されているので、それを紹介しておきます。これを使っておけば、上記の人工ダイヤ詐欺を防ぐことができます。
ダイヤモンドを企業から大量に仕入れる方法
店舗型の買取業者から直接買い付ける
ダイヤモンドを店頭で買い付けている買取業者がいます。銀座や青山など都内に複数店舗展開している会社です。
その会社に直接出向いてダイヤを買い付けるという方法があります。もちろん突然訪問しても意味はありませんが。
彼らも結局はダイヤの鑑定のプロではないため、損をしないよう(粗利を多く出せるよう)一般消費者からダイヤモンドジュエリーを安く安く買い付けます。その安く買い取ったダイヤの売却先は、とりあえず高ければ彼らにとってはどこでもよいのです。
かと言って、オークションで我々が売却する額よりも高くなっては損をするだけなので、ここで冒頭で述べたように、ダイヤモンドを正確に査定する鑑定力が必要となってきます。如何に損をせず中抜きをできるかが重要な買取方法です。
遺品整理業者から直接買い付ける
故人の遺品の中にはダイヤモンドジュエリーが眠っているケースが多々あります。
息子や娘さえ、そのジュエリーが知らないケースも多々あり、遺品整理を行った業者が発見するということになります。
彼らも結局のところダイヤの鑑定のプロでもなければ、買取業者でもないため、発見したダイヤモンドジュエリーの処分にあぐねいています。
ブランドもののダイヤモンドジュエリーはメルカリで売却した方がいい
余談ですが、カルティエ(Cartier)やティファニー、ハリーウィンストンや4℃などのブランドものは、ブランドそのものに価値があるだけで、製品を解体して地金とダイヤのルース(裸石)だけにしてしまえば、他のノーブランドのダイヤと価値はほとんど変わりません。
各種ブランドは、その高級なブランドイメージを築くために、有名なデザイナーへの人件費や銀座など一等地の賃料、有名雑誌への広告宣伝費など、多額の販管費(販売管理費用)を掛けています。
一方で、実際の売上原価となるダイヤモンド素材そのものや地金にはそれほどのコストは割いていません。むしろ、海外で主に流通するダイヤの重量は0.3ct以上なのに対し、日本で主に流通するのは0.2ct代のダイヤモンドです。
ダイヤそのものの価値よりも、「カルティエの指輪が欲しい」「4℃の婚約指輪を買いたい」と言ったブランド重視の市場性向が現れていると言えるでしょう。
この段落で言いたかったことは、それら有名ブランドのダイヤモンドジュエリーは、ルースと地金にそれぞれ解体してオークションに流すよりかは、②の売却方法であるメルカリやラクマなどのネット上のフリーマーケットで売却した方が意外にも高く売れることがある、ということです。
まとめ
- ダイヤ買取で儲けるには、粗利率を極限まで高める必要がある。
- そのためには、ダイヤモンドを正確に査定する鑑定力とダイヤモンドを売却するルートが必要。
- ダイヤを売却するルートには、①オークションや②メルカリなどのフリマアプリがあり、参入障壁はそこまで高くない。
- また、ダイヤを安く仕入れるには、消費者から直接買い取る方法と企業からまとめて買い付ける方法がある。